ヤマボウシの木が見守るこだわりの詰まった家

まだまだ暑い日が続きますが、夜間や朝方は少しずつ涼しくなり、

かすかに秋の気配も感じるようになってきました。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は少し遠出しまして、長野県のT様宅にお邪魔してまいりました。

撮影日はとてもよく晴れており、鮮やかな青い空と吹き抜ける風が心地よい

絶好の撮影日和でした。

大通りから少し入った住宅地の一角にそのお宅はございます。

御夫婦とお子様3人の5人家族でお住まいです。

 

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T様は雑誌「I’m home.」でご紹介されたお客様宅を見て、2011年にご来店いただきました。

まだ計画段階だったお宅にアビターレの家具を是非使いたい、

と情熱的にお話しくださったのがとても印象的でした。

 

そして昨年、ついに完成したこだわりの詰まったご新居をご紹介いたします。

 

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外観はレンガとライトグレー色の塗装でモダンな佇まいです。

家自体は木造ですが、レンガ積の建物に憧れていらっしゃったという事で、

薄くスライスし、タイルのように貼りつけています。

 

建材に関しても妥協せず、本当に様々なショールームへ行かれて

サンプルなど必ずご確認されたそうです。

レンガは色々見た中で、色が濃く表情が豊かなドイツのメーカーのものにされました。

 

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時間が経つにつれて、レンガに苔が付き、風合いのある外観に変化していくことでしょう。

歴史のある古いもの、アンティークやヴィンテージのものがお好きなご主人様らしいご発想です。

 

外構にもたくさんの工夫が詰まっています。

インディゴブルーのオーク材の門扉は、お子様たちが開ける時にも

重たくないように吊戸にしています。

 

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天井まである大きな玄関の扉も同じオーク材を使っており、

小口部分に手を掛けて開けるスタイリッシュなデザインにしています。

 

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玄関を開けると、吹き抜けの天井と大きな窓から日光が降り注ぎます。

 

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目に飛び込んでくるのは、1920年代に作られたジャコビアンスタイルのキャビネットです。

イングランド製でオーク材の木目が美しく、どっしりとした存在感。

 

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同じくジャコビアンスタイルのガラスキャビネットとチェアーです。

真鍮の取っ手の細工や質感が今の家具には中々見られないものです。

中にはご家族のお写真がたくさん飾られていました。

 

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チェアーの座面はショールームを訪れた際に、

メーカーにもらったサンプルを張り合わせて新たに作ってもらったそうです。

パターンはご主人様が考えています。

古いものと新しいものの組み合わせが面白い作品です。

 

その中にとてもカラフルなラグを合わせています。

 

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天井をふと見上げると、今度はカステラーニ&スミスのシャンデリアの

鮮やかなブルーのシェードが目に飛び込んできます。

ラグやシャンデリアの色遣いが絶妙です。

 

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室内は珪藻土で仕上げた白い壁と、ウォールナット材をヘリンボーン貼りにした床。

中の壁にも外壁と同じレンガ材が象徴的に使われています。

 

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大きくとった開口部もこのお宅の大きな特徴の一つです。

はめ込みの窓は極限まで桟を目立たないようにし、裏庭の芝生の緑や広い青空が絵画のようです。

外から中にレンガが続くように貼ってあるので、空間も一続きのようです。

シェードは麻素材のものをシングルで作り、強い日差しを柔らかにしてくれています。

 

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リビングに入ってすぐの壁には壁面収納リブレリアが納まっています。

 

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ご来店当初の頃から、Nero&Oliato の仕上げと当時、実際に展示のあった

このデザインのリブレリアを大変気に入って頂いておりました。

 

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※マルケッティ社オリジナルプラン(上画像)

 

イタリアのデザインを元に変更を重ね、額縁部分を大きくとることで、

大きめのサイズのTVが入り、隠すことが出来るプランにしました。

背板の配線穴の加工、奥行きのバランスなど、本当に勉強になりました。

 

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大きなポイントである、矢張りの扉は使う部材によって毎回表情が異なりますが、

T様邸は非常に美しい木目で出来上がりました。

※写真をクリックすると大きい画像でご覧いただけます。

 

常連の本屋さんに頼んで、インテリアの雑誌や洋書などを取り寄せているT様。

このタイプはディスプレイが意外に難しいのですが、

素敵に飾っていらっしゃいました。

 

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ヴィンテージのペンドルトンのクマはご主人様の持ち物。

キュートな色味と銀ボタンの目に一目ぼれされたそうです。

 

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TVボードの前には同じ仕上げのセンターテーブルと、

お子様達がよじ登って遊んだり、跳ねても大丈夫なBaxter社のソファ、

ALFREDが構えています。

 

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普段はセンターテーブルを窓側にし、TVの前はお子様たちの特等席となっています。

それを見守るように、シンボルツリーのヤマボウシが 優しく風に揺れていました。

 

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ソファの後ろ側もお子様たちが遊び回れるようスペースが確保されており、

ダイニングにそのまま続いていきます。

 

ダイニングテーブルは2枚接ぎの大きなテーブルMM502です。

こちらも Nero&Oliato の組み合わせです。

おおらかな仕上げの天板は節などもそのまま使っています。

 

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脚もどっしりとして特徴的です。

 

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大人8人でもゆったり座れるサイズのテーブルにMM503のチェアーをゆったりと合わせています。

思ったよりもずっとざっくり使えて、何かあってもすぐ自分でメンテナンス出来るところが魅力、

とご主人様。

ご主人様が木製品の取り扱いに慣れていらっしゃるということもあるのですが、

そうやって永く大切にお使い頂けていることを知り、とても嬉しくなりました。

 

シャンデリアはエゾシカの角を使ったもの北海道でオーダー。

猟で使うロープも使用されており、ワイルドな印象です。

 

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キャビネットもマルケッティ社のTC 121を合わせてくださってます。

天板はアンティーク加工の効いたPierre Chiaro 、

本体は黄色味掛かったグレー、Londra antico の仕上げです。

 

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取っ手を真鍮にすることで上品な仕上がりになりました。

リビングダイニングはNero&Oliatoでまとめていらっしゃったのですが、

このキャビネットが入る事で男性的すぎず、エレガントな他の家具との橋渡しも

出来ているような気がします。

 

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キャビネットの上にはご長男とお嬢様のお写真が絵画の様に飾られています。

チェアーと印象的な照明は恵比寿のComplexで購入

お子様用のシャビーな本棚はブランディボアールで。

 

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お部屋の一番奥にあり、お部屋の顔の一つであるキッチンは

モーリのクッチーナのオープンキッチンです。

アイランド型の面材に関しては、職人さんと何度も打ち合わせをして出した

自慢の色です。

 

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キッチンの壁も他と同じレンガに。

かなり迷われたそうですが、それが統一感を生んでいます。

 

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ご家族が使用する玄関や水回りはキッチンの奥側にあるので、

隠したい部分は来客には見えないよう工夫された間取りになっています。

 

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開放的な階段を上がって2階へ

1階とは異なり、床は同じウォールナット材の乱張りにしています。

お子様達のデスクスペースを通り過ぎると、

ご夫婦の寝室にたどり着きます。

 

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2色に分けたマルケッティ社ベッドFG126(SDサイズ)には

ドルサル社の電動式のウッドスプリングが入っています。

サイズ変更が出来るタイプのベッドですので、オーダー時にサイズ確認し

ぴったりに仕上げました。

 

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壁に合わせて作ったリブレリアにはドレッサーとチェストを入れ込みました。

すっきりとしたデザインにしましたが、天板と本体部分の色を変え、

引き出しには象嵌の模様が入ったものを一部使用しました。

 

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長い天板は接ぎはありますが、長手方向には無垢の1枚なので、

納品する時にドキドキした事を今でも覚えています。

 

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ドレッサーに合わせているチェアーにはウィリアムモリスの

「イチゴドロボウ」の赤い生地を。

 

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華美にする事無く、合理的ですっきりとした空間作りが上手なご主人様

ヴィンテージの洋服も実はたくさんお持ちなのですが、

奥のウォークインクローゼットに収納し、見える部分はシンプルに仕上げています。

 

トイレにも驚きがありました。

1階、2階、それぞれにモリスの「ブレアラビット」の壁紙を張っています。

 

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初めて拝見した時は驚き、少し意外な気がしておりましたが、

小さめの空間には大胆な壁紙を張りたいという事で、選ばれたそうです。

他のお部屋がすっきりしてるので、より面白味を感じる空間でした。

 

小さな部分にもご主人様のこだわりと世界感を感じられるお宅なのですが、

それはスイッチプレートやコンセントプレートにも言えます。

神保NKシリーズ

 

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そろそろ失礼を…という時に、中から見る玄関の景色が入ってきた時とは

別の美しさがありました。

 

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扉の両側から漏れる光と、壁には小型の収納がございます。

 

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彫のある扉の中が収納になっており、ちょっとしたものが収納出来ます。

生活感を出さずにこちらもすっきりとまとまっています。

来客用の玄関の為、様々なところに気を配った作りとなっていました。

 

 

ご主人様は建築系ではと思うくらい詳しい知識を持ってらっしゃいます。

本当に様々なショールームを訪れては新作や実際の商品を

よくチェックされていました。

建築家の先生は実はお近くのご実家を建てられた先生ということで、

気心が知れており、色々ご相談に乗っていただいたそうです。

ご友人にも職人さんが多く、チェアーの張地を頼んだり、

ご自分のアイディアを実現できるよう、行動されているのが良くわかりました。

その素敵なお宅にお邪魔できて、とても楽しいひと時でした。

 

また、お話しを聞いていて、気に入ったものを永く使っていたいからこそ、購入時に

こだわりを持って選んでいらっしゃる、という事をお聞きして、物に対しても強い思いを

持っていらっしゃるのがよく伝わってきました。

ご家族への愛情やセンス、こだわりを感じて、納品時より、より素敵になっておりました。

ご迷惑をお掛けしてしまうことも多かったのですが、いつも笑顔でご対応いただきました。

取材にもご協力いただき、誠にありがとうございます。

 

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最後に、私事にはなりますが、近々退職するにあたり、

入社した当初からのお付き合いであるT様のお宅をご紹介できることが、

アビターレでの集大成のように感じ、大変嬉しく思っております。

 

お世話になった皆様方、本当にありがとうございました。

今後ともアビターレをよろしくお願い申し上げます。  (山本)

 

 

 

 

 

 

(アビターレ取り扱い商品)

ダイニングテーブル MM502 (Nero/Oliato)

チェアー MM503 (Oliato/生地お客様支給)

キャビネット TC121 (Pierre Chiaro/Londra ant)

ソファー ALFRED P (Antique Roma)

センターテーブル FG655 (Nero/Oliato)

壁面収納リブレリア PG700 (Nero/Oliato)

壁掛け壁面収納 D12 (Oliato/Londra ant/Verde ant) ※廃番商品

ベッド FG126 SDサイズ (Maestrale Fondente/Oliato)

寝室キャビネット リブレリア PG700 (Maestrale Lavagna/Maestrale Cenere)